コラム テクノロジー

さまざまな○○tech

ネットに接続するためには家でPCを起動しなければならなかった昔とは違い、今はネットが常に身近にあります。いつでもどこからでも世界と繋がれる世の中になったのです。テクノロジーによって仕事や生活が効率が飛躍的に向上し、多くの変化を及ぼしているのは言うまでもありません。

さらに、今までITが参入していなかった分野においてもテクノロジーの発展が拡大し続けています。様々なジャンルでサービスが提供されている中で、そこにテクノロジーを掛け合わせることで新たな領域が続々と誕生しています。

「tech」(Technologyの略)という言葉をここ数年で沢山耳にするようになったと思います。会社名、雑誌名、メディアのタイトルなど色々な場所で使用されていますが、その中でも「○○tech」と言われる領域があるのはご存知でしょうか。この言葉は「サービスのジャンル」と「テクノロジー」を掛け合わせた造語です。今回は、この「○○tech」にどのようなものがあるのかを調べてみました。

■EdTech(エドテック)/Education(教育)×Technology(科学技術)

教室という場所・時間・コストが大きく影響するために、発展や進歩が大きく見られなかった教育現場。ここにテクノロジーを融合し、教育現場に新しい革新をもたらそうとするビジネス領域です。日本では2010年頃からEdTechが少しずつ盛んになってきました。その背景には、日本政府が今後のデジタル社会に対応すべく、2020年までに「小中学校の生徒にタブレット端末を1人1台配布」、「小学校でのプログラミング教育の必修化」を方針に掲げていることが大きく関係しています。

■FinTech(フィンテック)/Finance(金融)× Technology(技術)

IT技術を駆使して新たな金融サービスや付加価値を生み出していくビジネス領域です。IT企業や、金融系のサービスを主にしたスタートアップなどが、既存の金融機関が今までに提供してこなかったサービスを提供しています。FinTech系サービスの領域は広く、金融以外にも「決済」「融資」「投資」「財務」といった各領域に特化したサービスを展開しています。

■MedTech (メドテック)/ Medical(医療)×Technology(科学技術)

最先端のIT技術を医療に応用して、医療に関わる技術・設備・機関の向上とプロセスの効率化を目指すサービスの領域です。日本では今後の高齢化社会に向けた、介護や福祉に関するMedTechが注目されています。患者さんと医療現場で働く人達双方にとって、より良い医療環境が整うサービスが期待されています。

■HealthTech(ヘルステック)/ Health(健康)×Technology(科学技術)

次世代の健康管理法・美容に関するサービスの領域です。HealthTechはスマートフォンなどの身に着けて持ち歩ける機器(ウェアラブル端末)が普及したことや、健康管理・美容に関する意識の高まりから2007年にアメリカで生まれました。世界では既に患者と医師を繋ぐアプリが開発されたり、スマートフォンで心拍の様子を確認することができるなど、医療機器として多くのサービスが展開されています。

■Realestate Tech(リアルエステートテック)/ Real Estate(不動産)×Technology(科学技術)

デジタル化が遅れていた不動産業界とIT技術が融合することで、低コストで迅速な対応、新しい付加価値の創出、利便性の向上を可能にするビジネス領域です。戦後まもなく定められた不動産に関する法律は現代までに大きな変化も無く、市場データも煩雑で不透明な部分が多いとされてきました。そこで人口知能などのIT技術を用いることによって今まで仲介業者などに頼ってきた部分をデータ化し、不動産投資家向けサービスや物件検索サービス、また不動産屋の業務効率化を支援するサービスなど続々と展開しています。

■FoodTech(フードテック)/Food(食)×Technology(科学技術)

食に関わる全過程にIT技術が融合し、「食」を豊かにすべく付加価値を付けて提供するサービス領域です。食料の生産・加工からグルメ情報・レシピ情報の提供、デリバリーや食品メーカの業務支援など多岐にわたります。FoodTechに参入するスタートアップ企業も多く、毎年多くのサービスが新たに生まれています。

■AgriTech(アグリテック)/Agriculture(農業)×Technology(科学技術)

農業・酪農・畜産、農業資材や機器、土壌・肥料などの農業に関わる分野とテクノロジーが融合したビジネス領域です。現状起きている問題や作業効率化だけではなく、今後起こりうるであろう人口増加による食糧不足、高齢化に伴う労働力不足、気候変動などの問題解決の分野でも期待されています。

■CivicTech(シビテック)/Civic(市民)×Technology(科学技術)

従来の地域コミュニティーや市民のネットワークにテクノロジーを活用し、身の回りの課題解決によってより良い世界・環境を作ろうとする考え方や行動のことです。ただ、より良い世界の考え方は人ぞれぞれ異なるためCivicTechの定義は厳密には定められていません。日本では地域のごみ回収に関するアプリや保育園情報を発信するアプリなどが配信され、既に全国で活用されています。

■GovTech(ガブテック)/government (政治)×Technology(科学技術)

公的分野におけるサービスとIT技術が融合したサービス領域です。政治活動の支援や、一つ前に挙げたCivicTech分野のマッチングなどが挙げられます。ネット選挙や国立国家図書館の保存・管理などにテクノロジーが取り入れられています。

■FashionTech(ファッションテック)/Fashion(ファッション)×Technology(科学技術)

アナログ産業だったファッション業界の未来を切り開くべく、IT技術を活用したサービスを提供する領域です。雑誌の電子化や生産機器の向上、ネット販売などが挙げられます。最近では、鏡やカメラの前に立つと自分の姿に洋服が映るといったサービスが開発されています。また、自分の体にフィットした衣類を特注するオーダーメイドにIT技術を取り入れることでスピーディーに顧客対応ができるようになるなど、今後まだまだ新たなサービスが見込める領域です。

■LegalTech(リーガルテック)/Legal (法的)×Technology(科学技術)

弁護士や企業の法務担当などに向けた、法律に関する分野とIT技術が融合したサービスの領域です。日本では契約作業をパソコンだけで終わらせるサービスや機密情報データの復旧作業を行うサービス、社会保険・雇用保険などの手続きを自動化するサービスなど、クラウドサービスを活用したサービスが提供されています。

■AdTech(アドテック)/Advertisement(広告)×Technology(科学技術)

主にアドテクノロジーと言われています。広告とIT技術の融合によるユーザーへの効果的な公告配信や、メディアの印象を高め収益を最大化することを目的としています。配信された広告がどの世代にどの程度効果を及ぼしたかなど、広告を掲載してからのフィードバックを得られることもAdtechのメリットと言えます。

■TransTech(トランステック)/Transportation(運搬)×Technology(科学技術)

物流全般に関する分野とIT技術が融合したサービスの領域です。膨大なデータを処理し、どこに何をどのようにして運ぶかを瞬時にはじき出します。バイク便や大型トラック、海外への運搬などの配送サービスや、倉庫の保管業務・作業など業務効率化を目的としたサービス提供、物流に関わる機器などの開発が行われています。

■ManuTech(マニュテック)/Manufacturing (製造) ×Technology(科学技術)

製造分野とIT技術の融合は最近始まったことではありませんが、昨今のIT技術の進歩により、新しいシステム工程や生産コストの改善、製造の効率化が求められているビジネス領域です。製造から市場に出回るまでの時間とコスト削減が重要視されている現在において、リスクの軽減や製品の差別化をITの技術によって可能にしています。


IT技術の発展は我々に新たなビジネスのチャンスとサービスをもたらし、生活をより豊かなものに変えてきました。今回ピックアップした「○○tech」の中には、未来の地球や社会問題の解決に繋がる技術開発はもちろん、環境保全の面でも進化を続けていることがわかります。今、日本で展開されている「○○tech」のサービスのほとんどはアメリカ発祥で、スタートアップなどがIT技術を取り入れたビジネスを次々と展開しています。今後、古い文化が根強く残っているジャンルにおいてもTechnologyが取り入れられることでまた新たな「○○tech」が生み出されていくでしょう。